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コストナビの精度

ある準大手ゼネコンの方が、コストナビに38物件を入力して精度検証をされました。約1ヶ月かかったそうです。

その結果 34件はほぼ問題なく、コストナビの標準偏差の±6%以内に収まっています。

しかし4件は、コストナビが少なく算出されています。
これが基準法改正以降、私の頭を悩ませる構造の安全率の問題です。
コストナビの単なるバラツキなら、確率的にコストナビが多く算出されることもあるはずです。しかし、少ない現象しか発生していません。(下図、散布図の赤色の部分)
したがって、構造計算側の偏りと考えられます。

実際の検証結果の散布図ではありません。バラツキのイメージです。
(クリックで拡大)
ファイル 44-1.jpg

原因として想像できるのは
1.品確法の水平力の割増しを行なっているが、図面ではそのとこが分からないため通常の水平力で算出している

2.コストナビが構造の二次設計を行なっていなことによるる誤差

3.構造設計の安全率が高い

構造の安全率については、先日ある意匠設計事務所の方から面白い話を聞きました。
「構造設計を外注したところ(外注先は日本のトップレベルの構造事務所)、屋根に500kgf/㎡の積載荷重が安全率として加算されていた。」
「そのことは気付かずに設計が進んで、あるとき屋根にソーラーパネルを載せることになった。すると500kgf/㎡の余裕があるので設計変更せずに載せられますとの返事があった」

500kgf/㎡と言えば自動車の㎡荷重より大きい値です。つまり屋根に自動車を敷き詰めても大丈夫な建物になっていたわけです。

またあるデベロッパーの方からは、「基準法が改正されてからしばらくは、確認申請を確実に通すため安全率を高めに設定していた」という話も聞きました。


このような構造の安全率は、積算するときにはわかりません。
今後も、コストナビの数量が少なく算出されることがあると想像されます。
皆様は、過去の物件を検証して発注者、設計者別に構造歩掛の多寡を掴んでおくことも大事かもしれません。

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