記事一覧

構造歩掛に関する予測

先週に続き基準法改正以降の構造歩掛について考えてみます。
これから書くことはあくまでも予測です。
何らかの裏づけがあるわけではなく、コストナビのユーザーの方との日々の会話から予測した内容です。

基準法改正以前は、鉄筋歩掛は120~130Kg/コンm3が一般的で、ばらつきの範囲も110Kg/m3~150Kg/m3程度でした。
しかし改正以降は、130~150Kg/m3が一般的で、ばらつきの範囲が120~200Kg/m3まで広がっているようです。

グラフにしてイメージをつかむと(クリックで拡大します)

ファイル 15-1.jpg

(改正前は、マスコミで報道されたように基準法以下の建物が存在したため、1.0より左にグラフが伸びています。)

改正前は、ばらつきの幅が狭いので平均値で予測すれば誤差は小さくてすみました。
改正後は、ばらつきの幅が広いので平均値で予測すると誤差の大きい場合が発生するようになりました。

構造歩掛が全般的に高くなっているのではなく、ばらつきが広くなっていると考えられます。
(改正後は工学的に不適切な判断ができなくなったので、その分いくらかは平均が高くなっていますが)

このばらつきは、構造設計者や確認検査機関がどれだけ安全率を見ているかで生じていると考えられます。
概算見積をしている建物が、実施設計後どれくらいの構造歩掛になるかは、概算時点では予測できません。(サイコロの目の予測と同じでギャンブルです)

予測できないのであれば、概算見積の時点では歩掛が高めに出たほうが安全といえます。(ある程度の範囲内であれば)
そこで、コストナビも構造歩掛を安全側に割増す方向で考えています。
また、ユーザーの方が安全率を入力できる方法も検討しています。

まずは、構造のデータをたくさん集めて、ばらつきの幅と平均値を統計解析で求めて、現状を把握しなければなりません。
もしデータのご協力をいただける方がいらっしゃれば、ぜひお願いします。躯体数量のデータ(内訳書の躯体数量)と、建物の概要が分かる資料(平面図程度)があれば大丈夫です。

とにかくもうしばらく情報を集めてみます。
ではまた来週。

トラックバック一覧

コメント一覧

stnino Eメール 2008年05月31日(土)17時26分 編集・削除

お久しぶりです。
まるで経済活動ですね。2つのグラフはマインドに影響されておりますね。ここでもある意味で二極化されてるんじゃないですかね。橋口社長の言う今回の改正案は根本的に構造計算に変更がないということを自信もって設計できる設計者と風潮にながされ自信のない設計者・・・というより判定を下す確認検査機関なのかもしれませんね。彼らはコストには直接関係ないですから安全に当然みてきますから・・・。
ということは、積算分野はブレちゃいけないと思います。あくまで客観的数値に基づくべきで、安全率の考え方はユーザー(需要側)に任せるべきではないですか?
コストナビは良かれ悪かれ断面リストを算出してくれるわけで、積算根拠があるわけです。それについて捌けるのは設計者であり、事業主側であるからです。たとえば、震度6以上を7にして売りにする事業主側(設計側)などです。哲学っぽい言い方ですが、積算は常に中立であるべきです。「中立」というのは操作されていない、無作為に抽出されたデータベースから導き出した妥当な数値(ここでは安全率ですが)を客観的に提供するという「立ち位置」をとっておくべきではないでしょうか。予算、単価などと違い、数量だけは実態として嘘がありませんから。・・・あくまで私見ですが・・・。

管理人 Eメール 2008年06月01日(日)15時42分 編集・削除

stnino様
コメントありがとうございます。

私も「中立」であるべきと思います。
基準法の改正以降、構造を変更しなかったのは、調整(言い方を変えると、政治的判断、経済的判断、大人的判断...ニュアンスは分かっていただけると思います)を加えると、根拠が分からなくなるためです。

コストナビは、基準法のレベルというスタンスで、そこから先の判断はユーザーの方がするのがもっとも良いと思います。

ただコストナビのユーザー様の中には、判断のデータを持っていない方もいます。それらの方のことを考えると、現在の高くなった平均値で算出してあげたほうが、良いのではという気になります。
stnino様のように判断できる方は、高くなった平均値に対して調整をできる機能を設けようと考えていました。

stnino様の「積算分野はブレちゃいけないと思います」というお言葉を読んで、「今までどおり(割増しなし)」というオプションが必要かもしれません。

いずれにせよ、もう少し検討させてください。色々な方のご意見を聞いてみようと思います。
貴重なご意見ありがとうございました。